甲と乙って何? なぜ契約書に使われるの?

ことり
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優劣をつけられないことを、「甲乙つけがたい」と言いますが、そもそも甲とか、乙ってどんな意味なのでしょう?

甲乙はもともと「十干(じっかん)」から来ている

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十干(じっかん)」は、古代中国で発生した数詞なんですって〜

中国最古の王朝 殷(いん)(紀元前17〜11世紀頃)の文字で確認されているという事で、3,000年以上の歴史があるんですね
すごい!

十干(じっかん)は全部で10種類

十干五行分類陰陽自然界の事象
甲(こうぼく)木性木の兄=きのえ樹木
乙(おつぼく)木性木の弟=きのと草花
丙(へいか)火性火の兄=ひのえ太陽
丁(ていか)火性火の弟=ひのと灯火
戊(ぼど)土性土の兄=つちのえ山岳
己(きど)土性土の弟=つちのと田園
庚(こうきん)金性金の兄=かのえ鉄鉱石
辛(しんきん)金性金の弟=かのと宝石
壬(じんすい)水性水の兄=みずのえ海・大河
癸(きすい)水性水の弟=みずのと雨・露
       引用元 : 十干十二支

十干(じっかん)は空間を表している

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自然界に存在する全てのものを、「木」「火」「土」「金」「水」に分類し、陰陽をかけあわせて空間を分類したのが「十干」です

これに「十二支(じゅうにし)」を組み合わせ、60を周期とする 干支(かんし、えと)ができました
干支暦、時間、方位を表します

十二支は時間を表している

木星が12年で太陽の周りを一周することを発見したのです。
木性の公転周期が地球での時間を知るのに便利だったため、木星の軌道を基準とし、十二に区分けしました。
古代中国では、民族間で時間をわかりやすく伝え合う手段として、この十二区分に動物の名前を付けました。それが十二支になったのです。

引用元 : 十干十二支

十干(10種類) ➕ 十二支(12種類) = 干支(えと)(60種類)

ことり
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十二支(じゅうにし)や干支(えと)は、馴染みがありますね〜

一方、十干(じっかん)はどうでしょう?

現代で十干(じっかん)は どう使われている?

階級、等級、順位を表す

十干は、日本や韓国、台湾、中国などの漢字圏において、ものの階級・等級や種類を示すために使われることもある。焼酎は甲類・乙類に分類される。防火管理者や危険物取扱者、動力車操縦者などの資格は甲種・乙種と区分されている。かつては学校の成績や徴兵検査の結果を表すのに甲・乙・丙・丁を用いていた。

引用元 : ウィキペディア
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甲は1番、乙は2番ということですね

仮名として法的事案、契約書に使われる

日本や韓国、台湾、中国において、法的議論における事案の登場人物の仮名や、契約書などにおける当事者その他の者の氏名又は名称の略称として十干が使われる。

例1:甲男は、乙女に対し殺意をもって拳銃を撃ったところ、発射された弾丸は乙女にかすり傷を負わせた後、たまたま側にいた丙男の飼っていた犬のAに命中し、よってAは死亡した。

例2:本件は、甲野太郎が、乙野次郎に対し、売買契約に基づく代金の支払を請求したところ、これに対し、乙野次郎が、丙野三郎による第三者弁済を主張した事案である。

例3:ABC建設株式会社(以下「甲」とする。)、株式会社DEF商事(以下「乙」とする。)及びGHI市(以下「丙」とする。)は、以下の条項によって共同事業に関する協定を締結する。

引用元 : ウィキペディア
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韓国、台湾、中国でも、契約書に「十干(じっかん)」が使われているんですね〜

甲と乙って何? まとめ

◆ 甲乙は「十干(じっかん)」から来ている
◆ 「十干(じっかん)」は、古代中国で発生した数詞
◆ 現代の用法
  ・階級・等級や種類を示す
  ・仮名として法的事案に、名称の略称として契約書に使われる

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契約書の文章を短くしてくれる便利な十干(じっかん)ですが、弁護士さんでも甲と乙を取り違えてしまうミスが少なくないようです💦

自分が甲なのか、乙なのかしっかり把握して、契約トラブルを防ぎたいですね!